『投資ちゃんねる』が目指すもの

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個人投資家のためのソーシャルサービスを実現したい!」と思い立ち、楽しかった(謎)ヤフーを辞めてまで挑戦している『投資ちゃんねる』事業ですが、ようやく新しい一歩を踏み出せそう、みなさんにいろいろ情報開示できそうな状況が整いつつあります。

今年の3月初めにβバージョンとして個人投資家向けSNS『投資ちゃんねる』をリリースしたものの、自分の事業アイデアが浅かったため、また自身に焦りがあったため、「ソーシャルネットワークサービスを立ち上げればなんとかなる」と単純に思っていたところもあり(反省)、参加登録していただいた方々には大変申し訳ないのですが一度サービス終了させてもらい、改めてリスタートする準備を進めていました。

2007年はこれまでよりも『個人の資産運用』に注目が集まる年になると確信しています。既に、預貯金だけには頼れないという意識が若年層に芽生え、また同時に退職金などで得られる大きな資産をどのように運用すればよいのかと迷う団塊の世代の方々がたくさんいらっしゃると思います。

大金を稼ぎたい」と考えることに対して嫌悪感を抱く人は多いけれど、『いかにして自分のお金の価値を減らさずに育てられるか』と考えることは卑しいことではないと思います。 しかし、そんなニーズがあるにもかかわらず、これまでの日本にはそのよう時に”これだ!” と思う仕組みが無かった。

従来の資産運用に関する情報やサービスは『セルサイド』(Sell-Side:売り手)主導のものがほとんどでした。インターネットが普及した今、本当に求められるものは『バイサイド』(Buy-Side:買い手)側が発信源となってセルサイドを動かす” 真のサービス”だと考えています。
言い換えると、僕は資産運用に”真の民主主義”を実現する仕組みを実現したい!!と考えています。

そんなことを考えていたら、ちょうどITmedia Anchor Deskで以下のような保田隆明氏のコラムがエントリーされていました。

Web2.0時代に欲しい保険、資産運用サービスより

ということは、実は私たちが知りたいのは、自分と同じような価値観をもった人達がどんな保険商品、 資産運用商品を購入しているかということになるのではないでしょうか?1人のFPが、 自分と同じような価値観の人の相談をたくさん受けたとは想像しにくく、 それよりはむしろ自分と同じような価値観の人達の加入する保険や資産運用商品の情報を集約したインターネットサイトでもあれば、 そちらの方が重宝するのではないでしょうか?価値観、もしくはライフスタイルを打ち込むと、 同じような価値観をもった人達が購入している保険商品、資産形成がポンと出てくる、そんなものが出てくると面白いと思います。

まさに、自分が『投資ちゃんねる』に求めている姿とかぶります。日本人って「自分のお金について人に話すことはなんとなくイヤ」、という考えがちですが、それ以上に「みんなはどのようにお金を使っているのだろう?」と知りたいと思うニーズも存在しています。『投資ちゃんねる』では、”みんなお互い知りたいと思っているんだよ” というニーズを自分たちで認識してもらえるような仕掛けを実現したいと考えています。

ソーシャルネットワーキングから始まり、ソーシャルブックマーク、ソーシャルニュースと、 ソーシャルサービスが旺盛になってきましたが、それらはほぼ全て価値観融合サービスです。この延長線上で考えると、 私たちの保険や資産運用にヒントを与えてくれる金融資産に関する価値観共有サービスへのニーズはありそうですし、 仕組みもそんなに大変ではないでしょう。

保田さんの言うソーシャルサービス=価値観融合サービスという定義には、ほぼ同感。

一般的にはソーシャルサービス=人同士のつながりを電子化するサービス、という定義されている場合が多いのですが、 僕個人の考えとしてはソーシャルサービス=生活の触媒と定義しています。
既存のソーシャルネットワーキング/ブックマーク/ニュースを例にしても”参加する→人の行動(投稿/書き込みなど)に触発される→自分も行動する(投稿する/書き込む)”といった、 人の行動を誘発する触媒的な仕組みになっています。
これはもちろん資産運用にもあてはまるはずで、” 参加する→人の投資活動に触発される→自分の投資活動でも実践してみる→うまく行ってそれを開示する(さらに良い知恵やアドバイスが手に入るかもしれない)”といった流れが実現できれば、日本人の投資に対する考え方に大きなインパクトを与えるのではないかと思います。みなさんはどう思いますか?

そもそも保険とは加入者同士が相互に掛け合うものですから、すでにソーシャルなサービスです。しかし、 間に介在する保険会社が保険加入者相互の顔を見えなくしているので、その相互性、 ソーシャル性を逆に削いでしまっているような気がします。

小売業や旅行業などの一部では既に”買い手”が主役になり始めています。しかし、世の中にはまだ”売り手” がコントロールしている分野が多く、それらをネットワークやテクノロジーが次々と壊していっている時代、それが我々がいま生きている時代なのだと感じます。
売り手/買い手のどちらが主導権を握るべきかは時代の流れが決めてくれるもの。 しかし、自分のお金を投じるんだから金融サービスは我々買い手側に主導権があるべきだ、と確信しています。 とはいえ、実際に具体化するとなると難しいんだよなあ、なんとかしてお互いの顔がみえる仕組みを作りたいなあ。

しかし、現状では、一般消費者が間違った保険商品、資産運用商品を購入している可能性も高く、 上記のようなソーシャル金融サイトが登場しても、その間違った集合知を更に広めて、 犠牲者を増やす結果となってしまうのではないかという指摘もあるかと思います。しかし、インターネットでは自浄作用が働きますので、 放っておいても間違った集合知は徐々に修正されていくと思います。

インターネットの自浄作用も効果的だと思いますが、僕としてはネットだけに頼らず、”オフラインでの自浄作用” も活用するべきだと考えています。
昔から「投資クラブ」などの個人のサークル的集まりが存在していました。そこでは実際に顔をあわせることで、お互いの意見や投資判断に対して信頼度を認識する本当の”ソーシャルな仕組み”が存在していると思います。
オンライン上のテキスト文字だけで認識するのではなく、オフラインでの人間の直感に頼った”ソーシャルな仕掛け”も融合することで、更に自浄効果は高まるのではないでしょうか。

ネット銀行もネット証券会社ももっとWeb2.0的要素を組み入れることで面白い事業展開ができると思っていますが、 このように保険や資産運用の場合はもっと即効性があるのではないかと思います。一方、 保険や資産運用会社は商品内容をわざと複雑にすることで潤っているわけですから、 このようなソーシャル金融サイトみたいなものが登場すると迷惑なだけなので、 サービスの提供を既存会社に期待するのは難しいかもしれませんが……。

たしかに。既存の企業が主体となることによって、または特定の既存企業からのスポンサードを受けて保田氏の言うような金融サービスや『投資ちゃんねる』のような事業は難しいと思っています。
”自分で事業化したい!”と奮起したものの、その最終目的は僕が大金を得ることではありません。 ” 買い手が主役になる金融サービス” という原点から始まって、最終的には日本人のお金に対する価値観を良い方向に変化させ” 社会にとって有意義だと認められる仕組み” を作ることだと考えています。

その実現のためには、
・上記を理解してくれるスポンサーと協力する
・全くのバイアスがかからないよう、特定のスポンサードは受けない
・バイアスがかからないよう、全てからスポンサードを受ける (んなアホな)
と考えているのだけど、うまい方法はないものか…

とまぁ最後はアホな事を言ってしまいましたが、このサービスが存在することで一部の方々から”おまえらぶっ潰す!” と迷惑がられることは必至だと思います。

そんな時はぶっ潰されないよう、がんばります 精一杯…

あ、きっと世の中には僕と同じような考えで、既に事業化に向けて取り組んでいる人たちもいると思います。ぜひぜひ、切磋琢磨したいので競争して良いビジネスを作っていきましょー、 機会があれば交流したいものです。

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コメント

  1. kohei_a より:

    はじめまして。
    ITmediaのトラックバックから来ました。
    保田さんの記事面白かったですよね。
    やのしんさんの分析も興味深く拝読しました。
    「投資ちゃんねる」の今後を楽しみにしてます^^

  2. やのしん より:

    >kohei_a さん
    どもども、コメントありがとうございます。
    自分の事業アイデアをウンウンと考えているときに、ふと保田さんのエントリーに触発されてイメージの一部が具体的な言葉になったので、半分書きなぐり状態でエントリーしちゃいました。
    応援ありがとうございます、kohei_aさんの事業とも協業できる部分があればとても面白くなりそうですね!!

  3. [起業]久しぶりに

    今取り組んでるわけではないビジネスのビジネスモデルについて、ちょっとの間考えてしまいました。 そのきっかけとなったのは以下の記事。 Web2.0時代に欲しい保険、資産運用サービス −ITmedia その中でも以下の記述に、思考が刺激されて、やるべきことを置いておいて方眼…

  4. cacchao.net より:

    バイサイド といえば

    こんなものもありますよ。ぜひお越しください!

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