ちょいと時間ができたので超ひさびさに糸井重里の「ほぼ日」(ほぼ日刊イトイ新聞)を見てみた。
先日、任天堂が好決算を発表したこともあって、サイトにあったインタビュー連載記事、
「任天堂の岩田社長が遊びに来たので、みんなでご飯を食べながら話を聞いたのだ。」
が非常に面白かったのでメモ。かなり古い公開連載記事だけど、今読んでも面白い。
宮本茂さんの話など、クリエイターとして必見の面白い話がいっぱいだった。こういう時間が過ごせるのって、いいなあ。
http://www.1101.com/iwata/index.html
(1)アイデアというのはなにか? から気になった文章をピックアップ。ちょっと長くピックアップしすぎたけれど、会話の空気感が伝わる感じがしたので。岩田さんが宮本さんから聞いた「アイデアとは」について。
糸井 そうです。つまり、宮本さんによれば、
「アイデアというのは複数の問題を一気に解決するものである」
ということなんですが、・・・・・・・・・・・・・・・・
岩田 どんなものでもそうだと思うんですけど、なにかをつくるときって、
「あちらを立てればこちらが立たず」という問題がつねにあるわけです。
(略)現実になにか商品をつくるときには、「ひとつだけ困ったことがある」という
恵まれた状態になることなんてまずなくて、あちこちに困ったことがいくつもあるんです。・・・・・・・・・・・・・・・・
岩田
当然ネタがたくさん仕込まれてるほど、おもしろいわけだし、人は満足してくれる。
でも一方で、つくるのに割り当てられる 人材の量や時間は有限です。
有限の中で「多いほどいい」って言われたって、解決できないわけですよね。
でも、ときどき、たったひとつのことをすると、あっちもよくなって、こっちもよくなって、
さらに予想もしなかった問題まで解決する、というときがあるんですよ。
・・・・・・・・・・・・・・・・
短絡的に思いついたもの、なにか単体の問題を解決する策は「アイデア」とまではいえないということですな。
ハードル高いな、でも言ってることはもっとも。
糸井 (隣の席の佐藤と向かいの席の永田を指しながら)
つまり、佐藤くんの命が危ないというときにさ、代わりに永田くんが死んじゃうような方法なら
わりと簡単に思いつけるんですよ。
余裕のある企業や組織ほど、そういう解決法を選んでしまってダメになるんです。一個ずつは解決できるっていうときに、しらみつぶしに解決しちゃうんですよ。
まず、佐藤くんを助けて、「あ、永田くんが危ない」というので
今度は永田くんを助けてっていうふうに‥‥。
・・・・・・・・・・・・・・・・
なんとわかりやすい例え。そもそもなんで佐藤くんの命が危ないのかを考えることで、その後に続くことになる永田くんも助かることになるという発想ですな。
岩田
たとえば、ある料理店で、お客さんが出てきた料理について「多い」と言ってる。そのときに、「多い」と言ってる人は、なぜ「多い」と言ってるのか。その根っこにあるものは、じつは「多い」ことが問題じゃなくて、「まずい」ことが問題だったりするんです。
一同 あーーー。岩田 だから、本当はたいして多くもないのに、 「多い」って言われた問題だけを見て、
「まずい」ことに目を向けられなかったら、 量を少なくしたところで解決にはならないんです。
本当の問題が「まずい」ことだとしたら、 「まずい」ことを直さないと、
「多いから少なくしました」というのは、 一見解決してるようで、じつはなにも解決してない。・・・・・・・・・・・・・・・・
これまた分かりやすすぎる例えだ…